Side of BLUE −自分探し−


 君は誰と目の前の人に尋ねたら彼は辛そうに目を伏せた。
 僕は誰なのと質問を変えたら静かに抱き寄せられた。
 肩に顔を埋められていたから表情は分からなかったけれど、多分泣いていたんだと思う。
 何も言えず、でも何故か僕も悲しくて彼の背中にそっと腕を回した。
 何も言葉を交わさずに暫く経って彼は僕に向き直った。
 覚えてるかと訊かれ首を横に振ると頬に手を添えられた。
 冷たくて微かに震えてる手。
 いつかこんな風に触れられた事があった気がする。
 触れられた手に手を重ねて目を閉じる。
 彼が身を乗り出して来るのが分かった。
 吐息を絡められ、でも嫌な感じは全然しなかった。
 一度離れて今度は深い角度で口付ける。
 背中に回された腕が力強くて安心出来て懐かしくて。
 これで魔法が解ければなと囁いた彼の間近に迫った目を見て僕は我に返った。



 な、なと言葉にならない声を強引に唇で塞がれた。
 さっきも階段の踊り場でこんな風にキスされて。
 で逃げたお前が自分から落ちたんだと土岐が唇を離さずに呟く。
 魔法が解けない方がよかったとも。
 ほんの少しだけ消えた記憶の時間の僕の言動なんて、教えてくれそうにないので聞かない。
 可愛かったぞと言われまたキスをされた。
 抵抗は簡単に封じられ唇は首筋を辿る。
 ざわりと這い上がってくる言葉に出来ない感じ。
 ふと見えた白いカーテンにここが間違いなく学校でさらに保健室だったということが分かったけれど。
 僕に触れる手が震えていたから我慢した。



後書きと言う名の言い訳
はい。パソコンの容量を少しでも軽くしようという事で。
 本体に入れっぱなしで忘れていたものシリーズを再アップ。
 あっちにある学園じゃ保健室は使えないですねー。
 そもそもそんなことを許してくれる親友殿じゃないですしね。

 20040310
再アップ20080207