衣替え‐後編‐
 「土方さん! 豊玉先生なんてやってる場合じゃないですよ!! 早く山崎さんの部屋に行かないと!!!」
 「一体なんだってんだ。俺は忙しい……」
 「一句詠む良い材料になるかもしれない、否、絶対になります! さぁ早く!!」
 沖田は土方の重い腰を無理矢理上げさせ、ずるずると引きずって山崎の部屋の前まで連れて行った。
 「山崎さん! 開けて下さい!!」
 「何処に行っていたんですか? ……土方先生?」
 からからと戸を開くと、沖田の後ろには憮然とした顔の土方がいた。
 「総司が何やら句を詠むのに良い材料があるとか言うから来たのだが……昼間から屯所に女を連れ込むとは、中々やるな、山崎君」
 紅の空蝉に目を留めて土方が言うと、山崎は笑みを浮かべ(土方はこの時初めて山崎の笑顔を見た)、二人を中に招き入れた。
 「土方先生も一目見ればきっと気に入りますよ。何せ沖田先生も見蕩れるほどの別嬪さんですからね」
 どうぞ、と言われ部屋に入った土方の視線の先にいたのは……。
 「……ほぅ」
 零れたのは溜め息一つ。
 土方の視線に晒された市村は居たたまれなくなって俯いた。
 「ね? 凄い美人さんでしょ?」
 沖田は土方の反応を窺うべく顔を覗き込んで……凍りついた。
 「土方……先生?」
 突然黙り込んだ沖田を不思議に思い、山崎も土方を見、凍りついた。
 「市村」
 低く、抑えられた声で土方は市村を呼んだ。
 「はい」
 「今度からは斉藤と街にでも行け。決してこいつらに付き合うんじゃねぇぞ」
 「……分かりました」
 土方の命令とそれに答えた市村に
 「酷いですよ土方さん!」
 「土方先生! そんな……」
 と二人は抗議の声を上げたが土方には
 「何か文句があるってぇのか?」
 恐ろしく真剣みを帯びた冷たい目で睨みつけられ黙るしかなかった。
 「罰としてこれからその格好で俺に付き合え。行くぞ」
 という声に再び凍りついた二人が復活したのは日がとっぷりと暮れてからのことだったという。




後書きと言う名の言い訳
漸く終了です。ここまで読んでくださった方、本当にお疲れ様でした。
いやぁ、結局の勝者は前回(だから冬色参照)で随分な目に遭っていた土方さんです。
一番良いトコ取り、ですよね。
きっと一番の役得ですよね? 大丈夫ですよね? 救済しましたよね? ……多分、これはおまけを書くことになると思います。京都で遊んでいる土方さんと市村の話を。

……木曜日、ですかね。書きます。空き時間がなんと二時間分もあるのですよ。コレは書かねば損でしょう! 時間の無駄遣いでしょう! 勿体無いお化けが出てきてしまうでしょう!
はい、この異常テンションの理由は以下の通りで御座います。
実はこれ、日記で書いたとおり学校で書いて、打ち込んで、タグ打ちまで終えたものなのです。
よって近くで人に見られている可能性が大いにあるんですよね。だから異様なテンションなんです。人が見てると見られないように異様な早さで打ち込んでしまうし、その為に誤字脱字不可思議変換が起きてしまうし。もう、本当にやばいんですよ。
それにしても何て集中力。これが勉強にも生かせると良いんですけどね。……あんま生かせてないな。

次の壬生狼にはいよいよあの人、斉藤さんが登場します。気長にお待ち下さい。でわ〜
20021015 
再アップ20080207