The Poison of Music


三輪 明日真 〜MIWA Asuma〜
このシリーズの主役、だったはずだった。今はその座を月島に譲っている。
自他共に認める超天才アーティストだから、独りでやろうと思えば何だってやれるし、ちゃんと売れることも理解している。
けど、彼は絶対にそれをしようとはしない。彼が目指すものは「バンド」作りたいものは「一人では決して出来ないもの」
一番大切なものはきっと今のところ「BOXES」
私から見れば三輪明日真はごく普通の人であるのだけれども……。
他人から見ると「天才と何かは紙一重」みたいな人であるらしい。不思議なことだ。
人間から色んなもの取り除いて、音楽だけ残したらこんな人にしかならないと思うのに。
……で、担当はヴォーカルとベース。必殺技は「愛の告白」だろうと密かに思う。
間違いなくシリーズ最強の人間。と同時に最弱な人間。歳的には白井と一緒。学年は一つ下。


銭村 真海 〜ZENIMURA Masami〜
非常に常識溢れるギタリスト、を肩書きにしようと思っていたのに。
非常識な人達とつるんでいるとあれだね、彼も非常識に近づいていくね、な人。
血の滲むような努力をして、でも自分が何を持っているのかをちゃんと知っている人。
楽器持つと人間って本性出るよね。こいつもそんなの。
普段はM市の高級マンションに住んでいる予定だったのに、非経済的だからっていつの間にか三輪の家に住み着いているという。
因みにキッチンの鬼。バンドのメンバーの栄養管理をしているのはこの人。
何が悲しくてべっぴんさんを欲しがらなければならないのか。ギタリストの癖に。
バンドのメンバーの中で良識派を名乗っている割には極道なこともする。担当はもう言わない。
イメージが限りなく「保父さん」に近い。何故だろう。歳的には三輪の一つ上。学年も一つ上。


白井 尚尋 〜SHIRAI Takahiro〜
ああ、書き易くて動いてくれてなんて素敵な奴だろうと思っていたらやっぱり錯覚だった。
一分間に130回バスドラとか叩くんだよ。おかしいって。
常識はないけど気は利く、みたいな。細かいところに気が付ける人。なぜか周囲ではお婿さんにしたい人ナンバーワン。
明日真と対照的な歌詞を書く。なんだろう、必然的にラヴソングになるのかな。だからお婿さんなのかも。
性格はきっと一番温厚で、絶対女性には手を上げないタイプ。
好き嫌いがはっきりしてて、物凄くストレート。悪く言えば単純。よく言えば素直。
三輪と二人で非常識組を結成。で、バンドのムードメーカー。いるといないとでは違います、みたいな。
色々な意味で私にとってもオアシス。でも常識はない(笑)担当はドラム。
イメージは……犬? 歳的には三輪と一緒。学年は銭村と一緒。


月島 颯 〜TSUKISHIMA Sou〜
こいつの一人称ものを書いていると激しい頭痛に苛まれるのは何故だろう、としばしば思う。
何故三輪と同じバンド内で共存し得るのか。こいつ独りでもいいんじゃないのか。
こいつの曲は三輪と全然、もう比較のしようが無いものなのに何で同じバンドにいる意味があるのか。
……答えは一つ。「復讐の機会を狙っている」のみだろうと思ってたり。三輪だって元は鍵盤屋だし。
きっと二人が同じバンド内にいることで「BOXES」はもっと進化するんでしょうね。才能の磨き合いをして。
ああ、一人ぐらいいないと駄目か、とか思って無口無愛想神経質、の三拍子を揃えた美青年。
国立の音大に通っていたのに卒業目前で三輪に攫われました。担当はキーボード。
イメージは……硝子かな。透明なものとかそんな感じの曲と詞を書くから。歳的には三輪の四つ下。学年も四つ下。


どこまでいけるかは分からないけれど、「音楽」を「言葉」で表すのにはきっと限界があるから。
「音」に近い「言葉」を使っても、それが相手に伝わらない時だって絶対にあると思う。
けれど、限界に挑み続けて、太陽に近付き過ぎて堕ちたイカロスになっても、それでもぎりぎりまで「言葉」で伝えたいから。
彼らが命と同じレヴェルで大切なものを、私も命と同じレヴェルで大切なものに置き換えるから。
痛くても、逃げないで下さい。心臓に突き刺さる「音」が貴方に届くことを祈って。

それは音楽という名の病、逃れることのできない嵐……The Poison of music