桜闇 登場人物・世界観・用語解説



登場人物詳細

寒河江 夜澄 −さがえ やすみ−
25歳。木守。幼い頃から樹木と普通に会話していたその感応力の高さを買われ、若いながらも当主となる。
常に白一色の服装を好む。これが「死装束」であるのか、それとも「穢れを祓う為」なのかは誰も知らない。
そして彼自身の髪の毛は漆黒、唇は鮮やかな紅なのだが、肌が透き通るほど白く、所謂雪花石膏の肌と言うやつなので、
夜中に彼を見かけた大多数の人間は彼を幽霊だと思うらしい。
表情に乏しく、感情を表すのがあまり得意ではない為、周囲からあらぬ誤解を受けやすい。
端的に言ってしまえば「ぼーっ」としている。
幼馴染や親族とは意思の疎通が可能なのだが、その他の人々とはあまりコミュニケーションが取れない。
どうにもこうにも危なっかしいところがある、と言うのが幼馴染で従兄弟で相方の意見である。

刑部 空良 −おさかべ あきら−
26歳。木守。一応「木守」を名乗ってはいるが感応力は極めて低く、寧ろ夜澄専属の守役と言った感じ。
常に身軽で機能的な服装を好み、夜澄曰く「四次元ポケット」の持ち主である。
と言うのもポケットがたくさん付いたベストを着用しており、何でも出てくるからである。
バンドエイドから精密ドライバ、果ては発炎筒まで。勿論非常食も完備している。
親しみやすく人好きのする容姿の持ち主で、他人から畏怖の目つきで見られる夜澄と並ぶと丁度いい感じである。
が、祖父江家の人間を酷く嫌悪しておりその名を聞くだけで腹が立つらしい。
桜の一件では助力を仰ぐことに反対していたが、頼久の推薦もあった為結局折れた。
が、未だに祖父江家の人間は嫌いらしい。「同族嫌悪」に似ているのかもしれない。

遠敷 頼久 −おにゅう よりひさ−
35歳。木守。血縁的なものを言えば空良の叔父であり同時に夜澄の義兄。
「護り」の外の人間と協定を結ぼうと努力奮闘している。「祖父江」の存在を夜澄に教えたのも頼久である。
ちなみに奥さんの名前は伊都。夜澄の二番目の姉で木守としての能力も秀でている。
頼久自身は折衝役を主に務めてはいるが、そこそこの力の持ち主。
常にダークスーツに身を包み遠視用の眼鏡をかけている為、他人にエリートサラリーマンの印象を与えるらしい。
常にモバイルを持ち歩き、たまにブリーフケースも持っているあたりが特にそうなのだろうと思われる。
夜澄に「兄さん」と呼ばれたいらしいのだが、現実には「頼久さん」或いは「遠敷さん」。
頼久自身はその呼び方に夜澄との大きな隔たり、と言うか溝を感じているらしい。「兄さん」を目指して頑張れ頼久。

美作 譲理 −みまさか ゆずり−
26歳。火守。木守を嫌悪する火守の若き当主なのだが夜澄だけは特別。
初めて逢ったその日に「あいつだけは木守でも構わない」と言い切り以後それを実行している。
穢れを祓う炎の発生を得意とするが、木守のサポートがあってこそ。
力を振るうのに誰かの助けを借りなければならないことが譲理にも火守の民にも悔しいことらしい。
が、夜澄はあまりそういうものに頓着しない。と言うか気にしていない。若しくは譲理の存在自体が認識されてないかもしれない。
常に身に着けているものは「サングラス」。
本来の目的は「目の保護」らしいのだが彼はこれをファッションアイテムの一つとして重用している。
甘いマスクに爽やかな雰囲気と、十分に美形であるのだが空良の所為で今一つ夜澄に急接近が叶わないでいる。何とも哀れな兄ちゃんである。

神凪 美咲都 −かんなぎ みさと−
17歳。水守。水守にとっての主な仕事は「木守の後方援護」。
地味で目立たない、と本人は思っているのだがサポート対象が夜澄であるならば話は全くの別物となる。
水守の次期当主である美咲都は、満開の桜の下で涙を流していた夜澄に一目惚れ(夜澄は悲しくて泣いていたわけではないのだが)。
生来の猪突猛進な性格ゆえに、以後木守の当主のサポートは必ず彼が引き受けることになった。夜澄一筋である。
イマドキの高校生らしい服装だが仕事の時はきちんと制服を着用し、その姿がなかなか決まっていると言うので「護り」の女性陣に将来有望株として大人気である。
五行思想に則ってか否か、譲理とはあまり仲がよくない。義晴のこともあまり好きではない。
譲理に関しては相剋の関係にあるが故にライバル心も刺激されているようである。

十折 夏也 −とおり かや−
32歳。金守。他の「護り」や外の人間と関わり合いになることを極端に避ける金守の当主。
いつでも飄々と在るのが金守なのだが、どうも最近そうもいかなくなってきている。
その元凶が「外」との協定を結ぼうとしている「木守」にあるのは間違い無いのだが、それが楽しいと思えるようになってきたらしい。
常に黒一色の服装。夜澄と並ぶと相反するものが惹かれあうかのようにしっくりくるらしい。
いつも憂いを秘めた表情をしている。何故か彼といる時の夜澄は笑うことが多いので空良は夏也を譲理達とはまた別の意味で警戒しているらしい。
大概無口だが、夜澄といる時は彼も笑うらしい。
が、彼らが声を出して会話を交わしているところを屋敷にいる人間は一度も見たことが無い。金守の人間はそれを半分笑い、半分恐れていると言う。

  名越 義晴 −なごし よしはる−
37歳。土守。土守の当主であり、同時に全ての「護り」の長。
護りの当主達は皆、義晴の決定に従わなければならない。が、今現在木守と土守は「外」に対する考えが対立しており、立場も対立している。
ゆえに夜澄と義晴は毎月当主二人とその補佐をするもの達二人とで「会談」を行い、少しずつではあるが互いの距離を縮めようと言う努力はしている。
しかし、夜澄の補佐を行っているのは「外」と協定を結ぼうと言う考えの持ち主である頼久。
一方土守は断固として「外」との接触は避けるべし、と言う考えを持つものばかりなのであまり意味が無い「会談」とも言える。
そういう口実でも作らない限り土守の屋敷に出入りしようとしない夜澄を縛る為のものであるかもしれない。
毅然とした容貌の持ち主で、全ての護りの長に相応しい容姿をしている。


世界観詳細

舞台:大体に於いて東京近郊。都内ではなくどちらかと言えば都下の、大きな屋敷がごろごろあってもおかしくない辺り。
五行に従えば、土守を中心に四方(東に木守、西に金守、南に火守、北に水守)に屋敷があることになる。
また、「祖父江」家とも近い位置関係にあるようなので、とりあえず関東には違いない。


時代:現代だけれども「護り」自体がとても閉鎖的なものである為、近代と言われても仕方ないかも知れない。
尚、ごく普通にパソコンや携帯を扱っているので、2000年付近であることに間違いは無いと思われる。


世界観概説:人の目に映らぬものからあるモノを「護る」のが「護り」の使命。
五行思想に則った力を操る者達が、闇を祓い穢れを祓う。
「護り」の要たるは中央土気を司る「土守」。
土守を支えるは東方木気たる「木守」、西方金気たる「金守」、南方火気たる「火守」、北方水気たる「水守」。
彼者等は常に歴史の裏側に在り、終ぞ表に登場することは無い。その彼らが「護る」べきモノは……?


用語解説

五行説:古代中国の思想で、宇宙を構成する元素は木・火・土・金・水の五つ。
これにより季節・時・色など全ての事象が生成・運行すると考えたもの。
但し、「桜闇」に於いては金を風(古代ギリシア四元素より)とした。
五行相剋:木は土に剋ち、土は水に剋ち、水は火に剋ち、火は金に剋ち、金は木に剋つ。
五行相生:木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ずる。

木守:東方木気を司り、植物と会話を交わすことが可能な者のこと。またはその当主のこと。

火守:南方火気を司り、浄化の炎を生み出すことが可能な者のこと。またはその当主のこと。

土守:中央土気を司り、重力を操ることが可能な者のこと。またはその当主のこと。

金守:西方金気を司り、風を操ることが可能な者のこと。またはその当主のこと。

水守:北方水気を司り、水を操ることが可能な者のこと。またはその当主のこと。

桜樹:木守の当主に与えられる尊称。

青焔:火守の当主に与えられる尊称。