100個で1組のお題 映画100 003:水の中のナイフ いつか絶対に会えるわ。 貴方が守るべき運命の相手に。 太古の昔より連なる血の流れ。 その中に脈々と受け継がれている、力。 「出そうと思っても出なかったんだけどな。やっぱお前を守るためのもんなんだな、これ」 「お、れを?」 「そ。お前を守りたいって思いがこれになるんだって」 圧倒的な霊力を放つ、神剣。 鞘は自身の肉体。 迸る力が彼の者を守りたいという願いによって刀に具現化される。 力を放出するものと受け取るものと。 二人で一人、そうして互いを支えて生き抜いてきた、血族たちの。 「俺、は、田島君だけが、危ない目に遭うのは、イヤ、です」 「んじゃ俺だって三橋が怪我すんの嫌だ」 「で、も」 「血が残せない分、ずーっと一緒にいようって約束しただろ」 高い能力を持った末裔たちは、同性だった。 「大体さぁ、俺が迎え撃ってやるって言ってるのに三橋に手ぇ出そうとすんなよな!」 最後の剣の主は守るべき相手を守るためなら。 「俺に斬れないもんはないよ!」 その全てを守るためなら、迷いなく全てを切り裂くことができる。 「田島、くん。大丈夫?」 「おう。へーきへーき。さんきゅな、三橋」 「う、ひ」 剣に守られたものは、その剣の主を他の刃から守る結界を施す。 編み上げられた結界は精密であればあるほど他者の力を吸収し。 己の愛しき剣を守る壁へと姿を変える。 ゆえに。 勝負を決めるのは、守られているものを剣が守りきれるかどうか、の一点に集約される。 「っ」 「三橋っ!」 「だい、じょう、ぶ」 「ぜってぇにあの壁叩き壊す!」 想う気持ちが糧になるサイキック・バトルが、今始まる……!