100個で1組のお題 映画100 034:ルームメイト 10畳2人1部屋。 そんなに狭くない。 部屋の真ん中から対照で机と椅子、箪笥にベッドがL字型に配置。 これが基本形で、俺らの部屋には追加で。 部屋の真ん中に足が折りたためる机。 テレビは共用で。クーラーとシャワールームもついてる。 あと制服がかけてあったり。 小さな冷蔵庫もあるなあ、うん。 「修、ちゃん?」 「お。起きたか、廉」 「う、ん。どうした、の?」 「掃除でもするかなーと思ってさ」 床が見えないのは、まあ、これくらいの歳の男の部屋だったら普通だとしても。 さすがに、積み上がっちゃまずいだろ、と。 「お、俺、も!」 「おう。とりあえずメシ食いながら計画立てて、なるべく早めに終わらせような」 「うん。頑張る、ね」 ほにゃーっと笑うこいつは俺の幼なじみで。 大切な大切な幼なじみで。 「かーのー、みーはしぃー!」 「っだよ、朝から」 「メシ食いに行こうぜ!」 「廉はまだ着替えて無いんだよ! てかお前勝手にドア開けるんじゃねえよ田島」 大切な大切な大切な! 虫なんて付けるわけにはいかないほど大事な幼なじみだ。 「おは……って、何三橋抱えて睨み合いしちゃってんのぉ?」 「叶も三橋も早くしないと食いっぱぐれるよ。利央、邪魔」 「うっさいなー、迅は」 「お前らなあ、こんなところで通路塞いでんじゃねえって。叶、三橋は任せた」 「言われなくても分かってる! 花井、そいつら引っ張ってってくれよ」 「ああ。お前らもなるべく早く来いよ?」 虫通り越して害虫がわんさかいるこの寮で同室になれたのは別に偶然じゃない。 「修ちゃん、この、本、は?」 「? ああ、お呪いの本だよ。廉もするか?」 「お、まじ、ない?」 「縁結びとか健康運アップとか色々あるぞ?」 「お、れは、いい、よ」 「そうか?」 この黒革の表紙の本のお蔭、だ。